2012年1月1日日曜日

1年のはじまりと、諸々に関する言い訳

「明けまして、おめでとうございます」という言葉を口にするのも、どこかしら憚れるような気分ですが、とにもかくにも今年1年のはじまりました。

年々仕事の仕方は変わってきているんですが、今年は媒体とか、書き方とかの問題ではなくて、何か「書く作業」の根本的な部分を変えざるえないような気がしています。

大人になったのか、それとも時勢的な影響なのか――とにもかくにも、今年もお仕事を精一杯がんばらせていただく所存です。

さて、本来ならお仕事で繋がった方、もともとのお知り合いの方々に年賀状をお送りするべきだったのですが、年末に締め切り地獄が立て込んでしまったのと、今年はそもそも「めでたい文章」を書く気になれないという理由が半分ずつ交差しまして……すみません、結局控えさせていただきました。

ただ、デザインだけは組んでいたので、自分の気を引き締める意味でも、ここにアップしておきます。

「それにしても、必然的な怪物って、何なんだろう」ということに、新年早々から頭を奪われつつではありますが、みなさま、今年も何卒よろしくお願いします。

2011年8月5日金曜日

深夜の徘徊、すでになくなった住宅街

引っ越しをしたと思ったらすぐさま震災の一件が重なって、新しい生活に体をなじませようとしてたら、気づいたときにはまた数ヶ月も時間が経っていました。

……というのは、たぶん表向きの言い方で、ここ数ヶ月は自分の書くものに妙なブレ感があって、うまくブログを書けなかったのが本当の理由。

こういうことを書くと仕事が減りそうだから大げさには言いたくはないんだけど、以前ならのめりこんで書けた原稿でも(仕事で原稿を書く際、必ず取材対象とか、クライアントに気持ちてきにもどっぷりのめりこむようにしている。僕の場合、そうやって相手をとことん好いた方がいい原稿が書けるので)、震災後は妙に冷静に書いてたりする。勢いで流れを作るということをせずに、普段以上に慎重になりながらブレーキかけ気味で文章を選んでたりする。

その変化が不思議で、一方面白くも思えたので、「なんでブレーキをかけているのか」を考えてたら、なんかね、ブログどころの騒ぎじゃなくなっちゃったんです。



その一方で、原稿から離れた手がじゃれついていたのが、写真。

新居に移ってから、生活の時間帯が大逆転していしまい、夜中にトップで目が覚めている状態が続いていたため、どうにか体を疲れさせて寝ようと思い、夜明け前の3、4時を狙ってウォーキングをしてたんですね。でも、外に出たら出たで、手持ち無沙汰な状態で歩いているのがイヤになってくる。で、どうせならと思って深夜の街の写真を撮っていたわけです。

これがけっこう面白い。

しかも、引っ越してきたのは、久々の生まれ故郷(と言っても新宿区)。懐かしさもあって、街を歩けば歩くほどどんどん面白い被写体が目に飛び込んでくる。
……というのを繰り返してたら、なんだか写真っていいなあ、と思いまして。で、気づいたら連日連夜カメラを持って街をウロウロするハメになってしまったと。
下手したら警察につかまりかねない、ぎりぎりの趣味なんですけど。

*****

深夜の街を撮影して思ったんですが、自分が持っていた小さい頃の記憶って意外と正確なんですよね。建物の外壁の色とか、電柱の高さとか、ゴミ集積場所のコンクリの染みとか。

でも、それを思い出して、頭の中のかつての映像がクリアになればなるほど、そういう事実が実はけっこう重いものであるというのに気づいたり。たとえ道に残った小さな染みであっても、「コレがなくなったら、自分自身、相当ショックを受けるんだろうな」とか。なんだか、なくなるもの、消えていくものに対して、過剰に恐怖を感じてるっぽい。

だからこそ、またあえて繰り返し写真を撮って記録して、気持ちの逃げ場所をつくってあげたり。
おかげで写真は増える一方だし、なんだか変な感じです。

ちなみに上の写真は、今回撮った夜の街の1枚。小さいころよく行っていた公園です。うっそうとした森の中にある公園だから、深夜の街灯がやけに明るく見える。
下の写真は10年ぐらい前にポラロイドを使っていた頃のもの。こちらの年季の入った建物は現在すでに取り壊されていて、新しい住宅がこの上に建っています。
更に言えば、この建物があった地域は新しい道路をつくるために立ち退きが起こっているところで、かつてあった住宅街の面影がほとんどありません。

「地元はずっと昔のまま」と思うことはよくありますが、実際の街は瞬きをすれば見逃してしまうほどのスピードで急速に変化しています。そういう瞬間に立ち会っていると、この街にずっと長くいるのが、申し訳ないような、恥ずかしいような気分になるから不思議です。

2011年3月1日火曜日

蝶々、旅をする

更新を半年以上もしていないと、さすがに何か書かないといけないんじゃないのかと強迫観念にかられるわけですが、そこは忙しさを理由に見て見ないフリをしたり、「ブログのデザインをちょろちょろいじってるし、まあいいかと変えた」と自己解決してみたりして。とにかく問題を直視しようとしないのは、O型の大雑把な性格だからなんでしょうか。そうなんでしょうか。

というか、実は、ここ数ヶ月、日記を書く用のダッシュボードを開けるたび、「何を書いたらいいんだろ?」と頭を傾げっぱなしだったのが本音なんですが、ようやくいろいろと気持ちがのってきたので更新です。つまり、気まぐれです。


さて、このたび、ブログのトップを蝶のイラストバージョンに変えたわけなんですが、これは「バタフライツールズ」という屋号に結びつけたもの。

そもそも、バタフライツールズというのは、地元の仲間たちがと高田馬場のファミレスにいたとき、ありがちな深夜~朝方の想像力を使って立ち上げたモノづくりチームだったんですが、その後、そこまで頻繁に活動ができず、結局放置されつつあったので、僕が編集部を辞めてフリーになる際に仲間たちから譲り受けたものなんです。

名称自体が編集チーム、ライターチームっぽいモノでなく、なんかモノを取り扱っているような感じになっているのは、そもそも仲間内の「何かモノを作りたくね?」「だったら、○○工務店みたいな、イナたい名前がカッコよくね?」「じゃ、蝶々とかってユルくてよくね?」「だったら、チーム名も、バタフライツールズとかでよくね?」というような、半ば投げやりなやり取りで生まれたため。

更に加えると、たしか、そのときのメンツが映画の「スワロウテイル」のアジアっぽい町が好きで、そんな町で育った感が強かったので、あの作品に効果的に出てくる蝶の存在が妙にキュンときた……という背景があったように思います、うろ覚えですけど。

でも、何事にも何か根っこみたいなものがなければ、どうしようもなく落ち着かなくなってしまうのがシバサキの性分。譲り受けることになったのはいいけど、コンセプトがないのが非常に気持ち悪かったわけです。そこで、あとづけ的に思いついたのが、写真のアサギマダラのこと。この蝶、日本全土に出没する大型種なんですが、中国、台湾、朝鮮半島……とアジア各国の間々を長距離移動する「旅する蝶」として有名で、その移動距離があまりにも長いことから、研究者が記録のために羽根に数字や記号を書き込んで、その移動ルートの詳細を計測しているんです。

……というのは後から知った話なんですが、「記録の記号を背負って旅する」=「記録を背負って飛び回る」というのは、なんだか僕の原稿を書くという仕事に似ているな、と思ったわけです。で、なんとなく「バタフライツールズ」という名称を使うことに抵抗がなくなってきた、と。

とはいえ、名刺のイラストは「人」だし(実はこれはヘミングウェイが元ネタ)、蝶のモチーフがうまく使えていなかったのが本音の話。そこで、ようやくブログを再開するにあたって、この蝶の力を借りようということになったわけです。

でも、写真をそのまま使うのは個人的な趣味ではないので、1回「イラストに落とす」という作業をして、それぞれブログのヘッダーに羽ばたいてもらったんですが、こう見ると、アレだ、まるで蛾。で蝶の華やかさがマルでなし。いっそのこと、「夜の蝶」をモチーフにした方がキャラに合っていたんじゃないかとか思いつつ、やっぱり思い直して頭の中でかき消したり。こんなイラストで「夜の蝶」を書描いたら、ナンシー関タッチになりそうですしですし。……それはそれで、なんかホラーで、なんか面白いかもだけど。

2010年6月6日日曜日

街の迫力



ツイッターをやりはじめると、なかなかブログが無精になってしまう今日この頃。勇気をだして、久々の更新です。

先週、世間ではiPadの日本到来というデジタル風が強烈に拭きつける中、僕は下町の職人さんたちにお会いして、ひたすらお話を伺うというアナログな仕事をやってきました。

今回のコースとしては入谷から隅田川方面に言問通りを歩き、そこからUターンして浅草に入り、帰りに銀座の図書館に向かうというもの。とはいっても、取材という感じではなく、あいさつ程度の話し合い。本来あいさつ程度ならメールでも電話でもできるわけですけど、実際足をつかって直にお会いすると、想定していなかった「お話」以外の情報が一気にカラダに染みこんでくる感じがあります。僕はこれが面白い。

なかでも、驚いたのは、浅草方面の有名な観光地に立つと、どこの角度からも建設中のスカイツリーが見えるということ。ニュースでは「○○メートルを越しました!」的な情報ばかりが耳に入ってきたので、今まではそれほど興味がなかったんですが、これにはかなりのインパクトがありました。海外から来た人がアレをみたら、日本の都市=東京=江戸っていうのを否応なしに感じるはず。きっと、あの巨大建設は、江戸という街を、もう一度“世界の都市”として復活させようという意味が込められているんでしょう。日本の中枢は官僚が集まる赤坂、大手町ではない、庶民が集まる江戸の下町だと。なんか、都市景観づくりの“妙”のようなものを感じました。

さらに歩いたのは、近年恋愛のパワースポットとして有名な「今戸神社」。この日も、カップルや女子たちが、群がるように恋愛グッズを買い占めてました。面白かったのは、恋愛成就の絵馬。婚活の行く末を祈る乙女たちの声がいくつにも重なり合って、奇妙なオーラを出してます。これはこれでけっこう迫力がある。……というか、恐い。

2010年4月7日水曜日

20年後、日本が中国自治区になる

 最近はめっきり自分ごとの日記を書きたい気持ちがなくなり、 今日もまた、執筆した記事の紹介ですよ、と。

 今回紹介するのは、毎月恒例になっている週刊SPA!。
「オレたちを襲う[悪夢のシナリオ]14連発」という特集で、 1見開き分、原稿を書かせてもらいました。

 が、例によって、最近特に注目度が高い「政治経済」ネタ。 大学でも個人でもその手の勉強ってしたことがないんですよ。 そもそも、見た目にも、会話的にも、 あまりにわかりやすい文学少年タイプだったし。 もてなかったし、根暗だったし。呑んだらすぐ吐くし、その割には大柄だったし。

 でも、でも! 今回も識者の方にたくさんえげつない話を聞かせていただいて、 むちゃくちゃ面白い内容になりました!  だって、いわばSFだもん!  何、「20年後に、日本が中国自治区になる」って!  このままだとウイグルの二の舞じゃん!

 ……って、実は個人的には、 「それでもよくね?」と思うんですけど、 とにもかくにも、政治経済、SFに興味をお持ちの方は、 早速お近くの書店、またはコンビニにダッシュの方向で。

 よろしくお願いします。

2010年3月28日日曜日

銀座の逸品

昨日からメトロ内で配布されている「メトロエイジ」で、 グルメからアイテムまで銀座の“逸品”に特化した特集をつくりました。

今回は特に強く感じたのは、 なるほど、銀座ってモノづくりの街なんだなということ。
和光のディスプレイをつくるアートディレクターや、 職人、画廊経営者、アーティストと、 会う人会う人が、銀座が持つプレミアム感のために頭をひねらせ、 銀座の価値をたらしめようとしているのがとても興味深かった。

こういうピンポイントの価値を守るために、 「何かをつくろう」「何かをしよう」と試行錯誤をするのは、 実は他の東京の街ではあまりみかけられない。
伝統文化や芸能のためにルールを共有するのはよくあるけど、
そもそも銀座というのは「新しいモノが生まれる」場所。
 流行の最先端を追うとなると、 すっちゃかめっちゃかに要素を取り入れがちなのに、 銀座はそれでさえもちゃんと制御しているように見える。
なんか、パッと見はクールな表情なのに、 実は超熱い性質を持っている感じがして、不思議だ。

僕自身、アッパー系のイメージが強いためか、 これまで銀座があまり好きになかったけど、 今回の一件で、かなり印象が変わった。 ……というか、好きになった。

特に、「銀座ギャラリーめぐり」では、 画廊というのは、「無料の美術館」だということを知ったし (実は画廊は気軽に入れるし、絶対に何かを買わないといけないということもない)、 その一方で「アートってこんなに安く買えるんだ」ということも知ったので (実際、無名作家の小さい作品なら1万円ぐらいから購入可能)、 ちょっとした気分転換のために絵を見に行くのもアリだと思った。
あらためて“銀ブラ”を楽しむ意味でも、 メトロエイジ、ぜひお手に取ってくださいませ!

2010年3月10日水曜日

名前がぴんとこない

 いわゆる、とても小さい話。

 前々から、知り合いのカメラマンから、「仕事用のアドレスにフリーメールを使うのは良くない」と言われ、重い腰を上げ、ドメイン取得にこぎつけたのが去年の夏。それから半年後、「あれ、放置したまんまじゃん!」ということに今更気づき、やっと“バタフライツールズ”のメールを作ろうと思ったのだけど、……しっくりこねえ、こねえ。

 本当なら“butterflytools”が長いから、“takuo”と名前だけのアカウントにしたいところだけど、うーん、仕事で使うしね。なんか、甘ったるい感じになるのも気持ちが悪い。かといって、“shibasaki”からはじめるのも、なんか硬い気がしてぴんとこない。

 たかが名前、たかがアドレスだけれども、「何かに名をつける」ことには、ことだって気合いが入ってしまうのが“シバサキ”という性。あーでもねー、こーでもねーと、案を4、5個出しながらも、また振り出しに戻って考えて、また同じ案にぶつかっちゃうのを3時間程度繰り返した。たまに早めに眠れる日もこんな風だから、結局夜中の生活から抜け出れないのです。まったく、悪循環。

 ……という状況なので、近々gmailのアドレスを変更しそうな気配です。

 ここでも、当然告知しますけど、まあ、gmailはgmailで使用を継続するので、めんどくさい方は今までどおりで。でも、せっかくドメイン取ったんだから、ブログのURLも変更したいぞ。なんでこう春って、なにかと自分の生活を変えたくなってしまうんだろう?